猫とアレルギー
すぐに冷める。
淹れたてのコーヒーの湯気
顔に当たるとすぅっと深く息をする。
温かくて、いいかおり。
久しぶりに電車に乗るとよろけてしまう
慌ててつり革を掴み
恥ずかしくなって下を向いた
目の前には小さな男の子がインコのぬいぐるみをギュッと握っている。
大切なものは想いを込めすぎるとすぐに壊れる
明日も明後日もずっと好きでいてくれるなんてそんなことを、疑わずにいた
繋がっていたいなんて思うのはきっと自分を他者に預けて楽になりたいだけなんだと思う。
すぅっと息を吐くけど、香りは戻ってこないし
冷めたコーヒーは違う味になっていた。