冷たいフローリング
マットの敷かれた床に座りながら
本を読むフリをして掲示板に返信していた
恋人はわたしを猫かぬいぐるみか
お気に入りのものみたいに扱う
喋ってるだけでかわいいし、喋らなくてもかわいいと言って頰を擦り寄せてくる
大事に、とても大事にしているのが解る
煩わしそうに静かに本を読むフリを続けていた
お風呂やたばこを吸っている時に
コソコソとやりとりは続けられていた
罪悪感はあった。
隠すということが後ろめたさを表していると思う
恋人は、猫かぬいぐるみのようにそこにいれば他の関心はないように感じた
飾りもの
お気に入りの顔、お気に入りの声
この気に入らない性格はひどく冷たく突き放されてしまうのだろうか
前に恋人が仕事で上手くいかなくて泣きじゃくるわたしをそっと優しく慰めてくれることがあった
わたしの体が弱ってる時には近くにいなくとも寄り添ってくれた
そういうとこが好きなのか尽くされることが満たされていくのか判らない
顔を上げるとどうしたの?と心配そうな表情で声をかけられた
何もないと言えばなんかあるでしょと言われるので就活がうまくいかなくてね…なんてまた嘘をついた。
こんなにも君の気持ちを知っていて
どうして応えられないんだろうか
付き合った当初から反比例する想いに疑問が尽きなかった
今もその疑問が解決されないまま
結婚とか永遠を約束しようとしている
結婚するなら君だけど、好きなのは君じゃないと残酷なことを言えずにいる